気になる木のこと、家のこと

身近な樹木の気になって仕方ない病害虫のこと、やっぱり家のこと

母、たった1回でリハビリをやめるという

3年越しでようやく毎日ソファでテレビ、座ったまま生活を脱するべく
要介護認定を上げる申請をし、(要介護3へ)リハビリを週1回申し込んだ母親。

リウマチの進行に加え、認知症アルツハイマー、レビー小体を併発)の進行を
なんとか現状維持で留めたく、少しでも歩く筋肉を残そう、
人と話す機会を増やして仲間づくりしてもらいたい、
前向きに生きて欲しい…あわよくばいずれ入ることになる施設に慣れて欲しい、

というこちらの思惑で、何とか4か所も見学を重ねた結果、
本人自ら選んだのが、少しでもさっさと帰りたいという母のニーズを汲んだ、
午後から3時間で帰って来れる超ショートコースのデイケアでした。

もうそれはそれは、契約の際は、子供の卒業式(いや、卒業式でもこんな晴れやかな気分になっていなかった)かのような晴れやかな気分で判子を押した私です。

 

しかし、想定以上にそれはそんな簡単な話ではなかった。

まず母は誰も同居していないため、送り出す人がいない。
自分ひとりで玄関に行って出掛ける、というのは、この3年やったことがありません。
送り出す要員としてヘルパーさんを手配しようにも、朝晩に加え、
昼もそのために来てもらうのは、さすがに大袈裟な気もして、最初は姉が不安でキャンセルしたがる母を鼓舞して、なんとか送り出しました。

認知症あるあるなんでしょう。

やる気が無いわけでは無いが、その日が近付くにつれて、色々な不安が積もりに積もり、山盛りになって逃げだしたくなる、という感じでしょうか。

体験では、普段は家の中でしか歩かなくなった母が、マシンに乗ってみて動かしてみる、という快挙までやってのけたのに…。

翌週は一人ではいけない、あなたが一緒に来るべき、というのです。

私が一緒に行ったら、デイサービスの意味ないじゃん。
病院にケアマネさんとのやりとりに、定例ミーティングに、
その上リハビリまで一緒に行くんかい!

私は保護者か!?

不安な気持ちはわかるが、さすがにそこまで付き合えません。

私にも仕事があるんです。
子供たちはまだ高校生で家の仕事もあり、会社の仕事もあり、
まだこの先、樹木医になる夢だって(ほのかな光ながら)あるんです。

ご一緒するのは、丁重にお断りした結果、第2回目は「今日は具合が悪いので」と玄関口まで来たスタッフさんに断りを入れ、キャンセル

週1しか行かないのに、このままじゃマズい…。

しかし、予想を超え、母はついにこの憂うつ状態を脱すべく、思いついたようです。

ある日電話が鳴り、「私、やっぱりリハビリはやめるわ。」

とおっしゃるではありませんか。

やめる?1回しか行ってないのに?

しかも職場にも現場にも、次から次へと容赦ない電話攻撃。ほぼノイローゼです。

とにかく、そんな簡単に「ウン」とは言えないので、最初の何回かの電話は話をそらしたり、せめて1か月だけ通ってみては?と促したり、
何が嫌なのか改善策を探ろうと聞き出そうと頑張ってみたりと
自分なりに工夫してみました。

このままでは、既にカラスのように細く筋と骨だけになった手足は更に筋肉が無くなり、また冬がやってくれば血圧が上がり、ふらつき、不眠になり、
ストップしている睡眠薬を飲み、さらに筋弛緩作用で簡単に転びまくり、
やがて自分では歩けなくなり(今でも屋外は100%車椅子)、
24時間誰かがいなくてはトイレも行けなくなる。

→→→老人ホーム入所への最短コースまたはもしくはオムツで寝たきり生活をいとも簡単に導き入れることに。

リウマチとはいえ、まだ83。もう、なんでしょうか。

本人がそれでいいなら、いいけれど。
デイサービスですら、姨捨山みたいだと行きたがらなかったのに、
グループホームやら老人ホームなんて入る訳もなく。
そのためにも、施設慣れしておかないとまずいのに。

しかし、残念ながら認知症というのは、こういうものなのか、2歩進んだら5歩ぐらい下がるいつもの流れです。

自分で断るから、連絡先を教えて欲しい、なんで教えてくれないのか?
行きもしないのにお金を払い続けなくてはならない(ごもっとも)
といった電話が夜10時を過ぎても鳴り続け…。こっちがノイローゼになりそう。

もう我慢できず、根負けしてリハビリの電話番号を教えてしまいました。

はい、今までの苦労も水の泡です。
3年前に杖も付かずに出かけて行き、駅で人にぶつかられて転んで、
頭を打って以来、(頭を切って出血し、2か月前後で回復したもののリハビリを受け入れず)なぜか突然、悲劇のヒロインとなり、大病を患っている病人となった母。
全く自分で生活を営まなくなってしまいました。
永遠にこの朝晩ヘルパーさんとの優雅な暮らしを続けられる、と思っているようです。